日本能率協会で講師を務めておられる武田マネジメントシステムスの武田先生にお話をうかがいました。
(以下敬称略、役職当時)
セミナーの受講対象者とは?
安部
顧客不満足というテーマに最初にかかわったのが1990年ごろということになりますね。
もう30年です。
本当に長い間、取り組んでこられたわけで、まさに第一人者でいらっしゃいます。
今は取り組みの新しいフェーズに進もうとしている最中と考えていいのでしょうか。
武田
そうです。
1990年ごろから取り組み、今まで培ってきたノウハウというか、手法を持っています。
これが企業の成長・発展にお役立ちしていますので、更に多くの企業にと思っています。
安部
長い蓄積を重ねてきた顧客不満足というテーマですが、日本能率協会では実践セミナーという形で実施していただいているところです。
このセミナーの受講対象としてはどんな人が向いているのでしょうか。
武田
まず対象となるのがBtoBとBtoCを模索する企業です。
BtoBの中でも最終顧客を絞らなければBtoBの関係がうまくいきませんから、BtoBtoCを模索する企業も対象になります。
ステークホルダーに対する取り組みでは、社員や取引先が今のBtoBに当たり、地域社会や行政ともかかわることがあります。
せっかくのご縁を大事にして、そこからビジネスを発展させなければなりませんから、ここも対象としています。
ちょっとした製品やサービスの不具合からダメージを大きく受けますから、経営やシステム、製品、サービス、人間の品質も大事になります。
私はセミナーでよくこう質問しています。
「現在、世の中に存在しない製品やサービスであなたがほしいものはありますか」と。
安部
難しい質問かもしれませんね。
武田
そうすると、答えがほとんど出てきません。
1回だけ答えとして出てきたのが、ドラえもんの「どこでもドア」でした。
まあ、なかなか出てこないものです。
昔であれば、テレビ、自動車、洗濯機、冷蔵庫、エアコンとほしいものが明確でした。
しかし、今は持ちたいものがひと通りそろい、新しいサービスも体験しています。
ほとんどの商品やサービスが出回っているわけです。
ですから、そのままにしていたら、何も出てきません。
潜在的な意識に潜む要素をどうやって見つけるかが大事です。
この要素はお客様が潜在的に求めていることですから、これを明確に深堀りし、商品やサービスに置き換えることで買ってくれるようになります。
これから先は新製品、新サービス、新システム、新人材、新設備の開発がどんどん変化していくでしょう。
それが改革や創造につながるはずです。
だから、お客様が潜在的に求めることを明確にすることが、これまで以上に非常に重要となるのではないでしょうか。