日本能率協会で講師を務めておられる武田マネジメントシステムスの武田先生にお話をうかがいました。
(以下敬称略、役職当時)
顧客不満足調査の活用方法とは?
安部
お客様が何を求めているのか、本当の声をとらえていくという話が出てきましたが、これこそ本当に企業活動の原点かもしれません。
企業内の部門にかかわらず、みなさんが興味を持つところでしょう。
お客様の本当の声をつかむことが、顧客不満足とは何かという話につながっていくと思います。
このセミナーで先生はどんなアプローチで課題に迫ろうとしているのか、ポイントを少し教えていただけますか。
武田
今まで触れてきたところに関係しますが、現存する調査の中で満足度調査はかなり普及しています。
満足を調べることに焦点が当てられていますから、ベーシックが高くなることがお客様に認められていることだととらえます。
現状がどうなっているのかについては、ほとんどの企業が把握しています。
だから、今さらそれを知ったところでどうするのかという部分が残ります。
私が多くの企業を訪問したところ、毎年、調査をしているにもかかわらず、調査結果をあまり活用していないところが多いようです。
これに対し、不満足調査は表面化している満足が殆ど分かっているとしたうえで、潜在化している要素に焦点を当てます。
例えば、先ほど申し上げた「世の中に存在しない商品で何がほしいですか」という問いの答えを明確化するわけです。
そこが明確にならなければあまり役に立ちません。
マーケティングでいえば、ニーズとか潜在需要に焦点を絞り、浮き彫りにしていきます。
お客様の愚痴や困っていること、不満足が浮き彫りになれば、それが役に立つのではないかということで、そこから新製品・新システム・新設備・新人財育成が進められ、成功しています。