図と表で理解する
リサーチャーおよびビジネスパーソンとして必須の各種調査データの集計、分析スキルを習得し、数値の背景にある本質を読み取れる人材を育成する
セミナー概要
統計・多変量解析に興味のあるあなたは、もしかしたらこのような課題をお持ちではありませんか?
本セミナーがあなたの課題を解消できるかもしれません。
- 製品の性能評価や品質確認の際の評価結果の提示や要因分析、予測などを、評価データを基に行いたいと考えている
- 日々の業務はシステムの改善などで効率が上がっているが、そこで蓄積されたデータを活かすことができていない
- アンケートや市場データの収集後、結果の解釈をいかに資料にまとめるか悩んでいる
- マーケット調査に使えるデータは与えられているものの、多くの測定項目の中から関係性の高い項目を見つけ出し、その正しさを明らかにする手法が知りたい
- 多変量解析を使う機会が増えてきたが、根本的な仕組みを理解できていないため、統計の基礎とRについて学ぶ必要性が出てきた
- 主観による予測分析が多く、仮説・検証の精度の低さが課題としてあがっている
ビッグデータの活用がトレンドになり、多くのデータをどのように分析し、課題解決や判断のために活用するかが求められるようになりました。しかし一方で、データ解析の知識を持つ人材不足も課題として挙げられ、満足のいく解析ができていない企業も多いと聞いております。
もし、御社で統計多変量解析のできる人材育成を怠ってしまうと、このようなリスクが生じてしまいます。
- データの量は増えるが、適切な解析や解析を基にした仮説提案が行えない。そのため、前例踏襲や経験値に頼った商品開発やマーケティング戦略に頼らざるを得ない。
- リサーチ会社へ依頼する際に、相手の提案内容に対して自社の理解が不十分となり、本当に欲しいデータ結果を手に入れることができない。
- データ解析のできる人材は今後も不足するため、中途採用で専門家を雇うことは難しい。そのため、データ解析の進んでいる他社との差を埋めるための人材/手段が確保できず、差が開く一方となってしまう。
一般社団法人日本能率協会では、データ解析の重要性に着目し、「統計多変量解析法入門セミナー」を10年以上も前から開催してきました。
最近は多変量解析を行うことのできる無料ソフトが配布されていたり、エクセルでも一部の解析を行うことができるようになり、昔と比べると手軽に活用することができるようになってきました。
一方で、そのソフトの根底にある理論や原理を理解することが活用/応用の為に必要であることは言うまでもありません。多変量解析は学問的に確立された分野であり、座学を中心に基礎を学ぶことが習得の一番の近道です。
本セミナーに参加された方からはこのような言葉をいただいています。
- 多変量解析についてわかりやすく、ポイントを押さえて理解することができる講座でした。自社に戻ってからは、市場マーケティングやアンケートの活用に使いたい。
(輸送用機器 3年目) - データ解析の為の数値の取り方が大変良く分かりました。講師の話方、進め方もベテランで、上手な学校の先生のようで、学生時代のように自然とノートを取ってしまいました。自社にはただ蓄積されているだけのデータがあるので、グラフを作成したりして、まずは自分なりに分析してみようと思います。
(精密機器 5年以上) - 幅広く統計学の知識に触れることができる、入門者に適したセミナーでした。今まで度数カウントしかしてこなかったが、アンケート結果をもっと多面的に分析しようと思います。
(輸送用機器 1年目)
本セミナーを受講される方は、社内にあるデータをどう活用するかを悩んでいる方が多いですが、受講による学びを通じて、まずはできることから新しい解析を試みようと第一歩を踏み出し始めています。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
プログラム2日間 10:00~17:00
(1) リサーチ・データの種類と特性
(2) データ構造
【2】統計解析と尺度分類
(1) 尺度分類
(2) 回答形式と尺度分類
【学習のポイント】【1】〜【2】
市場調査は何かを測定している。測定するためには物差しが必要である。そこで、測定することと物差しの関係を理解する。同時に物差しと分析の関係も理解する。
【3】分布を知る
(1) 視覚化(グラフ化)
(2) 数値化(代表値と分散)
【学習のポイント】
分布記述としての基本統計量の基本的な読み方を理解する。
【4】クロス集計表の読み取り
(1) クロス集計表の見方(原因と結果)
(2) 構成比の機能
(3) 3種類の構成比の計算方法とその読み方
(4) ファインディング
【5】検定
(1) 検定とは(考え方と用語)
(2) 検定の実際(χ2乗検定を例に、実際の考え方と流れを解説)
【学習のポイント】【4】〜【5】
2元クロス集計表は分析の第一歩である。そこで、クロス集計表の基本的な読み方を理解する。例えば、男女別の2元クロス集計表をみたとき、男女で差があった場合、その差は差があるといっていい程の差なのか?これに対する答えは検定によって判断される。そこで、検定の基本的な考え方を理解する。
【6】2 変量間の関係(相関係数:関連と予測の視点から)
(1) 関連の指標としての相関係数
(2) 予測の指標としての相関係数
【学習のポイント】
2変量の関係は「関連」と「予測」という視点から説明することができる。これは、多変量解析への一歩である。そこで、多変量解析への一歩として理解する。
2日目 10:00~17:00
多変量解析法の基本
【1】多変量解析の基礎
(1) 多変量解析の分類
(2) 多変量解析の有効性と限界
(3) 類似度と非類似度(相関係数と距離)
【学習のポイント】
多変量解析の考え方を理解して、事例を通じてどのようなマーケティング課題(たとえば商品開発など)に利用できるのかを俯瞰する。そして、自らの業務を振り返り多変量解析を利用する場面を考える。
【2】予測・要因を分析する
「結果に影響を与えている要因は何かを探る手法」
取り上げる手法:重回帰分析数量化Ⅰ類
(1) 重回帰分析の基本モデル(考え方)
(2) チェックポイントとアウトプットの見方
(3) ダミー変数による分析
(4) 事例による結果の解釈
【学習のポイント】
代表的な予測・要因分析の手法について、回帰分析との共通点・相違点を見ながら考え方を学ぶ。また、事例を通じてアウトプットの読み方を理解する。そして、自らがどのような課題解決に利用できるかを考える。
【3】構造を分析する
「変数の相互関連性や共通する要素を抽出する手法」
取り上げる手法:主成分分析・コレスポンデンス分析(数量化Ⅲ類)
(1) 主成分分析・コレスポンデンス分析の基本モデル(考え方)
(2) チェックポイントとアウトプットの見方
(3) 事例による結果の解釈
【学習のポイント】
代表的な構造分析の手法について、基本的な考え方を学ぶ。そして、具体的な事例を通じて分析手続き、アウトプットの読み方を理解し、目的に合った使い方を考える。
【4】分類する(似たものを集める手法)
「人・ブランド、調査アイテムを分類する手法」
取り上げる手法:クラスター分析、MDS
(1) クラスター分析・MDSの基本モデル(考え方)
(2) 事例による結果の解釈
【学習のポイント】
代表的な分類をするための手法について、基本的な考え方や種類を学ぶ。そして、具体的な事例を通じて分析手続き、アウトプットの読み方を理解し、目的に合った使い方を考える。
【5】まとめ
(1) 2日間で学んだことの整理
(2) マーケティングへの適用
※当日は使い慣れた電卓をお持ちください。
※内容は、変更される場合があります。また、進行の都合により時間割が変わる場合がございます。あらかじめご了承ください。
※昼食は、12:00~ 13:00の予定です。また、進行の場合によりプログラムの時間割に変更がある場合がございます。予めご了承ください。
講師
大竹 延幸
株式会社マーケッティング・サービス 代表取締役社長
東洋大学 社会学部 非常勤講師
明星大学 人文学部 非常勤講師
立教大学社会学研究科博士課程前期課程終了(社会学修士)
アパレル業界を経て現在に至る。日用品から耐久消費財までの消費財、農業、工業生産財といった幅広い業界に対応するリサーチャー。マーケティング課題解決型リサーチの企画、およびCSI、ブランド評価といったマーケティング課題の統計モデル化を得意とするリサーチのスペシャリスト。専門社会調査士。
- 著 書:「社会調査の実際」 (学文社)
「課題解決型マーケティング・リサーチ」(生産性出版) - 主要論文:
「Conjoint分析を利用した価格属性の問題点」(東洋大学社会学部紀要)、
「支出意識に及ぼす消費目的の影響―確認的因子分析と多重指標モデルによる男女比較―」(東洋大学社会学部紀要)、
「支出意識に及ぼす消費目的の影響~多重指標モデルによる時系列分析~」(東洋大学社会学部紀要)
芦川 勝彦
株式会社東京サーベイ・リサーチ
主任リサーチャー
東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了。博士(農業経済学)
2005年よりマーケティングリサーチに従事し、2010年より現職。
経験商材は、自動車/住宅/余暇/娯楽などで、広告代理店、メーカー、自治体、外郭団体などのクライアントに対応し、幅広い調査テーマを経験。
大規模郵送調査やインターネットパネルの運営経験も有し、多様な手法に精通。
日本マーケティング・リサーチ協会の公的統計基盤整備委員会に所属し、官公庁案件の受託状況の調査や環境改善にも取り組んでいる。
対象
- 各企業のマーケティング部門、調査部門、商品企画部門、広告・宣伝部門などのスタッフで、これから統計・多変量解析の理解を深めたい方々
- 本テーマに関心のある方々
受講者の声
- 検定は実務で使用しているが、知らないこともあったので、参考になった。
- 参考書にのっていないような話が聞けてよかった。
- 統計とは何か、という基本から理解ができた。
- 実例による説明がわかりやすく理解が深まった。
- 演習を交えながら要点を絞った説明がわかりやすい。
- 需要予測や品質管理に必須の統計・解析スキルが向上したと思う。