四元講師インタビューその2「教科書と現実の乖離とは?」

日本能率協会で講師を務めておられる四元マーケティングデザイン研究室 代表 四元正弘講師からお話を伺いました。
(以下敬称略、役職当時)

教科書と現実の乖離とは?

中川
四元先生には、JMAで「自分ごと化と物語マーケティング入門セミナー」というセミナーをご担当していただいて今年で7年目になります。

最初にこのセミナーを企画したきっかけを教えてください。

四元
僕自身がマーケティングの勉強を学生時代に全くせずに、電通に入ってからマーケティングの仕事をするようになりました。なので、社会人になってからマーケティングのいろいろな参考書を読んだりして、座学的に勉強をしたわけですね。

そのときにはもう実際に商品開発や、消費者分析などの実務をしていましたので、教科書を読みながら実務を経験していました。すると、教科書ではどうしようもない現実があることに気がついたのです。

教科書的な知識というのが間違っているとは言いませんけれど、それはやはり非常に整理をしやすくまとめられているものです。ですので、人の理解を促すために枝葉末節をあえて捨てていたりする部分があります。

ですが、実は本当のヒット商品開発には、その教科書では捨てている枝葉末節のような部分がとても重要だったりします。

ニーズ発想とシーズ発想という対立の中で、ニーズ発想で行きなさいとよく言われます。それは間違いではないのですが、ただニーズだけで考えても、商品はできないのですよね。

実務をしながら、実はシーズもニーズも重要であるという結論に至り、教科書での知識に加えて、僕が電通の仕事を通じて学んだ実践的なノウハウや考え方が非常に役立つのではないかと思いまして、それをぜひご理解していただける場として「自分ごと化と物語マーケティングセミナー」をやっています。

中川
最初の課題感としては、電通時代に学んだ教科書的な部分と実践的な部分に乖離があり、四元先生の経験をみなさんに伝えたいという思いがセミナーのきっかけになったのですね。

四元
おっしゃる通りです。
教科書を書いている人は、基本的に学者なのですよ。

やはり実務からの視点を通じて学者の言っていることを更にブラッシュアップすることが
重要だと思ったので、私がその役を果たせればいいかと思っています。

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