福田講師インタビューその4「ファンを創るブランド・コミュニケーションの組立て方」

日本能率協会で講師を務めておられる縄文コミュニケーション株式会社 代表取締役 福田博講師からお話を伺いました。
(以下敬称略、役職当時)

ファンを創るブランド・コミュニケーションの組立て方

中川
「これからのコミュニケーションは、ファンを創ることだ」という話を良く聞きますが、言うのは簡単ですが、どの様にしたら良いですか。

福田
多メディア化や情報洪水の中で、消費者は、自分に関係の無い情報は、スルーしてしまいます。

逆に、聞いたことがあるとか、少し興味を持っているという情報には、聞き耳を立ててくれます。つまりお客さんと何らかしらの小さなつながりを作って、こちらを振り向いてもらうことからコミュニケーションは始まるんです。

ソーシャルメディアが一般化している現在は、B2CやB2Bの世界でも、一瞬のチャンスを掴めるかが、つながりが作れるかどうかの勝負になります。そのためには刺さるコンテンツが必要です。

人を振り向かせるメッセージ、琴線に触れるマジックワード、記憶に残るクリエイティブ、共感するストーリーが大切なんです。そして、これらのコンテンツをターゲットに伝え、共感してもらって、ゆるやかでも良いから関係性を創ることが、重要なんですね。

そしてさらに重要なのが、一度つながりを持ったお客さんには、役立つ情報やブランドのニュースなどを継続して提供し、お客さんに、商品との関係性を自分ごと化してもらうことです。

また、サイト上でのイベントへの参加、あるいはリアルイベントなどに参加してもらうことなども、大変に効果があります。大事なのは、お客さんを「ひとりぽっちにさせない」ということです。様々なメディアを通じて、関係性をより深めることなんです。

お客さんは、その商品や企業を気に入ると、友人からその商品について聞かれた時に、好意的なアドバイスをしてくれます。いわゆる、口コミで推奨をしてくれるので、つながった1人ひとりのお客さんとの関係を大事にしたいですね。

中川
最近は、お客さんに楽しんでもらうために、ネット上でコミュニティサイトを運営する事例が増えていますね。

福田
ホント、増えていますね。例えば、カルビーでは、Webサイト上で、「じゃがりこ校」というコミュニティサイトを運営しています。全校生徒は9000千人。川柳などの授業があるようですが、生徒と一緒に商品開発も行なっています。もちろん発売したときには、全校生徒が、積極的に応援してくれます。

コミュニティサイトで、ファンを創るのも大いに効果のある取り組みだと思いますね。ファンになってもらって、その情報を自分の周りの友人達に、こんな話があるよと話題を提供してもらうことが、理想です。

但し、下心丸見えのお願いは、そっぽを向かれるどころでなく、反発されるので、要注意です。

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