日本能率協会で講師を務めておられる縄文コミュニケーション株式会社 代表取締役 福田博講師からお話を伺いました。
(以下敬称略、役職当時)
ブランド力向上は、大きな競争優位
中川
商品のコモディティ化が進んで、差別化が難しくなっている状況で、ブランドの重要性が、再び注目されています。
福田
お客さんは、商品だけではなく、企業活動全体を見ています。そして購入するなら、お客さんを想う姿勢や社会貢献に熱心な企業のものを買おうと思います。
ブランドは、お客や株主や社員の方々によって、長年に渡って蓄積された高い評価の結晶です。そして企業だけのものではなく、お客様と共有するものです。
そのためには、我社は、誰の為に、どの様な価値を提供している企業なのか、何をしようとしている企業なのか、という企業の姿勢を明確にする必要があります。
中川
そういった活動を通して、ブランド・プレミアムを創っていくんですね。
福田
おっしゃるとおりです。それと、ブランドは、例えシェアが小さくとも、心に響くのがブランドです。また代替が効かないものがブランドです。まさにブランド・ロイヤルティを高めることが求められるんですね。
誰かが、ロイヤルティを「忠誠心」と訳していますが、これはとんでもない誤訳です。日本語で近い言葉は「愛着・信頼・友情」です。
自社の商品に、信頼や友情を感じてもらうことがマストですね。
そして、お客さんが、そのブランドに愛着を感じてもらえると、つまりロイヤルティが高くなると、自分の労力や多少コストがアップしても、その企業と付き合いたいと考えていただけるんですよ。そのためには、お客さんとの信頼関係や共通の価値観を育むことが、大切ですし、共感してもらえるコミュニケーションを継続することが求められますね。